■退職後も社宅に居座る
最終的には明渡請求訴訟を提起
 社宅を持つ多くの会社では『社宅管理規程』を整備して、入居の際に『社宅使用契約書』や『社宅使用にかかる誓約書』などを本人から取り付けます。これらの書面上でなるべく詳細な取り決めをしておくことがトラブル防止の観点からも重要ですが、社宅明け渡しまでの猶予についての一般的期間を以下に示します。

 [自己都合退職の場合]
  1か月以内としている場合が多い

 [定年退職]
  1週間〜10日程度

 [死亡退職]
  遺族の事情に配慮して1〜2か月程度

 [解雇]
  本人にすると突然の話であるため1〜3か月程度

 社宅入居の時点で、従業員が社宅を出るに当たっては色々な理由が考えられますからケースによって異なりますが、本人の意思による退職であるならば、この申し出の時点で社宅の明け渡し時期についても事前に確認してなるべく事務的に処理し、退去が行われない場合は会社側で撤去を行う点についても合意を取り付けておくようにしましょう。

 従業員本人と連絡が取れない場合は家族や身元引受人と相談して処理してゆくこととなります。
 それでも埒が明かない場合は、最終的に明渡請求訴訟を提起することになりますが、ここに至るまでの手続きについても、『社宅管理規程』に詳細に規定しておく必要があります。