■他社から部長としてスカウトしたが期待した能力がなかった
契約書中で具体的な必達目標などの約束事を取り決めておく
 採用活動を行う際に、相当の高いレベルのポストを用意し、賃金についてもポストに見合った処遇を約束するなどして高い専門的知識や技術を持つスペシャリスト、または経験や管理能力を買って採用当初から部長職などとしてジェネラリストを迎え入れる場合があります。

 こういった場合、会社は当然相応の成果を上げることを期待しているわけですが、これが期待はずれであった場合に、他の一般職同様に解雇するのに高い壁があったのでは、給与の高い不要な人材を社内に抱え込むことになってしまいます。そんなことにならないように、これらの人々に会社が『どんな能力を期待しているのか』を契約書に盛り込み、約束事を取り決めておくことで、これに反した場合は『債務不履行』であるとの主張の下、解雇できることになります。

具体的には

 1.『○○部長』などとポストを特定する。
 2.その地位にふさわしいレベルの賃金設定をする。
 3.担当業務と目標(金額など)、達成期限などを設定する。

などの点について取り決めておきます。

ただ、決めた目標を達成できなかったからと言っても、天災地変や経済状況の大きな変化など当人にはどうにも対処のしようのない外的要因があった場合は話が別ですし、そういったことがなくとも目標の7〜8割を達成しているのであれば、即時解雇は難しいかもしれません。